【コラム#9】

 

ソーシャル・メディアがアドボカシーを双方向にする

 

■カスタマー・アドボカシーとソーシャル・メディア

 

2000年代以降、インターネットの普及と発展は、実社会においてさまざまな影響を与えてきました。
特に、ブログやTwitter、Facebookといったソーシャル・メディアの台頭は、社会生活のありかたにパラダイム・シフトをもたらしたといっても過言ではないでしょう。

 

最もよく見られるアドボカシー活動の例は、社会的に立場の弱い人々の権利を守り、その主張を代弁していく活動ですが、これはすべての人にとって平等に生きやすい社会を作ることにほかなりません。
認められるべき権利を正しく行使できる社会というのは、民主主義の理想型です。自分の権利をあきらめて放棄するようなことがなくなれば、世の中はもっと住みやすくなるに違いないはずです。

 

アドボカシー・マーケティングという考えかたが重視されるようになったのも、ソーシャル・メディアがあればこそです。

 

アドボカシーを用いたマーケティングは、企業側からのアプローチだけによって成立するものではありません。
サービスを受けた相手はたしかにそのことで太い顧客となってくれるかもしれませんが、そこだけにとどまっていたのでは、アドボカシー・マーケティングの魅力は半分も発揮されていないといえるでしょう。

 

アドボカシー・マーケティングのキモは、カスタマー・アドボカシー(顧客による貢献)にこそあるのです。 そして、そんなカスタマー・アドボカシーの可能性をさらに飛躍させているのが、ソーシャル・メディアの存在だというわけです。

 

■お金では買えない評価を得るために

 

「返報性の原理」という言葉が心理学にはあります。
これは、人間は親切にしてもらったり施しを受けた場合には、相手にもなんらかの見返りを与えたくなるという心理のことです。
アドボカシー・マーケティングが成り立つのは、この返報性の原理があってこそです。

 

返報性を意識したマーケティングの手法そのものは、実はアドボカシー・マーケティングという言葉が生まれる以前から無意識に存在していたものでした。たとえば食品売場の試食コーナーはこの代表例ですし、各種勧誘にもテクニックとして使われてきました。
しかし、従来であれば返報性は個人や家庭内のものだけで終わっていたはずです。

 

これがより広がりをもつようになったのは、やはりソーシャル・メディアの登場からです。
現在は、誰もが自分発信のメディアをもっている時代です。「このお店ですごく親切にしてもらった」という感想をブログやTwitterやFacebookなどで流してもらえれば、予想だにしないところにまでその評価は届くはずです。

 

そして、このように広がった良い評判は、従来の広告によるものとは比べものにならないほどの信頼性を見せるでしょう。
なにせ、身近な人間が実際に良かったと言っているわけですから、お金さえ出せば買える広告枠とは説得力が段違いなのです。

 

ここ数年、業種を問わずソーシャル・メディアを利用したマーケティングは活発ですが、上手に利用できているといえる企業はあまり多くないようです。
いかにカスタマー・アドボカシーを引き出せるか。この点を意識するだけで、アドボカシー・マーケティングの成功率は大きく変わってくるでしょう。

 

2014.5.23

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