【コラム#8】

 

アドボカシー活動とボランティア活動の違い

 

■アドボカシーはボランティアではない

 

アドボカシー活動が目指すべき地点は、社会をよりよいものにすることです。

 

最もよく見られるアドボカシー活動の例は、社会的に立場の弱い人々の権利を守り、その主張を代弁していく活動ですが、これはすべての人にとって平等に生きやすい社会を作ることにほかなりません。
認められるべき権利を正しく行使できる社会というのは、民主主義の理想型です。自分の権利をあきらめて放棄するようなことがなくなれば、世の中はもっと住みやすくなるに違いないはずです。

 

いわばアドボカシー活動は社会貢献活動のひとつなのですが、しかし、それゆえに、こうした活動についてはまだ誤解も少なくありません。
たとえば、よくあるのがボランティア活動との混同です。

 

■ボランティアはあくまでも奉仕活動

 

ボランティア活動とは、一般的に、無償で社会奉仕活動に参加することです。

 

日常生活のなかでも、放置自転車の整理やゴミ拾いなど、ボランティア活動を行っている人々を目の当たりにする機会は多いでしょう。幼稚園や病院、老人ホームなどでボランティア活動を行っている人も少なくありません。
そのほか、大規模な災害があったときには必ずボランティアのことが話題になります。被災地にとっては非常に大きな力となることも多く、感謝している方も多いことでしょう。

 

このように、たしかに、ボランティア活動も社会貢献活動です。そして、子どもや病人や障がい者の方々といったような、発言力の小さな人たちを支援することが多いという点でも共通しています。また、原則的に無報酬であり、自発的に行われるという点までもが一緒です。

 

ですが、アドボカシー活動とは決定的に違う部分があります。それは、あくまでボランティア活動の精神が「奉仕」にあるという点です。

 

■現在へのアプローチか、未来へのアプローチか

 

アドボカシー活動は単なる奉仕活動ではありません。ただ困っている人を助けるのではなく、その状況を改善するよう求めて主張していくことこそが、「advocacy」(=代弁)という言葉の意味だからです。

 

ボランティア活動が、現時点での不便さを補うための活動だとすれば、アドボカシー活動はその不便さの元を絶って未来を便利にするための活動だということです。
もちろん、どちらかに優劣があるということではなく、よりよい社会を実現するためには両方とも必要な活動です。ただ、目的が違うのです。

 

ですから、ボランティア活動では相手が感謝してくれたら成功といえますが、アドボカシー活動の場合はいくら感謝されたところで、状況を好転させることができなければ失敗です。
その分、目的が果たされたときの達成感も大きいものだといえるでしょう。

 

2014.3.3

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