【コラム#4】

 

2つのアドボカシー ケースアドボカシーとクラスアドボカシー

 

■よりアドボカシーについて知るために

 

アドボカシーという言葉は、どうしても日常生活の中では耳慣れないものです。調べれば簡単に言葉の意味はわかりますが、文字で読んでもなかなか実体までは理解しづらいものかもしれません。

そこで、よりアドボカシーについて深く知るために、細かく分類して具体的な活動の方向性を見ていきましょう。

 

アドボカシーの基本的な概念は、自らの権利を自らの力だけでは主張したり要求したりできない人々を擁護したり、主張の代弁をしたりすることです。しかし、一口に「擁護」「代弁」といっても、実はその対象と目的には大きく分けて2種類あります。

アドボカシーは対象者によって「ケースアドボカシー」と「クラスアドボカシー」とに分類することができます。

 

■ケースアドボカシー

 

ケースアドボカシーとは、個人の権利を守るべく、個別のクライエントを対象として行われるアドボカシー活動のことです。

 

本来受けられるはずの公的扶助やサービスなどがあるにもかかわらず、その権利を知らなかったり、知っていても公使が困難な状況にある人々が社会にはたくさんいます。そうした人たちに適切な支援がなされるよう働きかけることが、代表的なケースアドボカシーだといえます。

 

ただし、ケースアドボカシーの目的はあくまでも個別の権利を尊重することですので、対象者の気持ちや要望を充分に理解したうえで行われる必要があります。よって、当然ながら個々の事情によって活動内容も変わってきますし、社会全体のためには行ったほうがよい活動でも自重すべき場合もあります。

対象者とサービス提供者との間を取り持ち、円滑にサービスを受けられるようにする活動が求められます。

 

■クラスアドボカシー

 

もう一方のクラスアドボカシーは、特定の対象者に限定せず、地域全体の状況を改善すべく取り組むアドボカシー活動です。「コーズアドボカシー」という呼び方をされることもあります。

 

社会制度に不備があったり、他の地域にくらべて著しく公的支援が弱い地域があったりする場合に、行政に制度や政策の改善を求めて働きかけるのが、クラスアドボカシーの代表的活動です。

この活動は、同じような属性にある人々すべてにポジティブな影響を与えることになりますので、「クラス」アドボカシーと呼ばれています。

 

ケースアドボカシーとクラスアドボカシーはどちらか一方があればよいというものではありません。個々の利益と公共の利益との両面から権利を守っていくことこそが、社会的に不利な立場にある人々を擁護することに繋がるのです。

 

2013.12.28

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